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氷室岳〈つづら谷周回ルート〉(岩国市周東町祖生) [県東部の山]

前回(12月22日)の山行後、山名の由来と言われる氷室のことが気になったので再度歩くことにする。
『玖珂郡志』の記述によると、ツヅラ谷の支谷であるムクロジ谷の源頭部、九合目あたりにあったようなので、取りあえずつづら谷川を遡ってみることにした。
山道や踏み跡をたどりながら支谷を遡り、なんとか山頂から北東に延びる尾根鞍部に出た。このあたりは八合目ぐらいだろうか。氷室探索はそう見やすくはなさそうだ。また機会があれば探すことにしよう。地元の方に教えていただいた「弥山さま」の祠を経由し、ランチャー台のある広場経由で山頂を踏んだ。
帰路は南東方向の市境尾根を下る。鐘撞堂跡の先の展望地あたりまでは普通のヤブだったが、400m鞍部までの下りは性悪のササヤブである。473mピークは展望もなく、次の400m鞍部(峠)手前で倒竹帯となる。昔はこの峠を越えて伊陸へ抜けていたというが、現在も幅広の山道が祖生側へ下っている。楽勝かと思いきや途中沢と出会うあたりでぱったりと道が消え、しばらくは沢沿いのそま道を歩かされる。炭焼窯跡と出会うあたりからふたたび道が現われ、最後に古い丸木が残る沢を渡ると林道終点へ抜ける。(2013.12.30)
P1130246末南方面から氷室岳北東ピーク.JPG末南方面から氷室岳北東ピーク
氷室岳.jpg (クリックで拡大)

道を挟んで専称寺の向かい側の路側帯に駐車スペースがある。
里道に入りつづら谷川沿いに遡る。前方には形のよい氷室岳の北東ピークが聳える。
P1130248里道を進む.JPG里道を進む

未舗装林道に入り、左に三つの堰堤を過ごす。
P1130249堰堤・林道.JPG堰堤・林道
P1130250堰堤・林道.JPG堰堤・林道
P1130252沢沿いの林道.JPG沢沿いの林道

竹林を抜けるとまもなく林道終点広場に着く。
P1130253竹林に入る.JPG竹林に入る
P1130254林道終点.JPG林道終点

ここで谷が直進と右の2方向に分かれるので、ヤブを少し分けて右の谷へ入り沢沿いの踏み跡を進む。
P1130256谷沿いの山道.JPG沢沿いの山道
P1130257沢沿いの山道.JPG沢沿いの山道

スギ植林帯に入るとやがて谷が直進と右の2方向に分かれ、道も同様に分岐する。
P1130258スギ植林帯.JPGスギ植林帯
P1130259山道分岐.JPG山道分岐

直進方向の道を取ると、道が倒木等であやしくなり、右斜面へ逃げると山道に出会う。
P1130261谷沿いの山道.JPG山道
P1130262上方の山道に出る.JPG右上方の山道に出る

左折するとすぐに谷分岐となり、直進方向が地形図上では本谷と思えたが道もなく勾配もきつそうなので、山道に従って右の支谷を遡ったところ、炭焼窯跡で道は消失する。
P1130263本谷方向.JPG直進の本谷方向
P1130264右支谷の山道.JPG右支谷の山道
P1130265炭焼窯跡.JPG炭焼窯跡

ここで断念し山道を戻ると、最初の支谷分岐近くへ出たので、(上流に向かって)右の支谷を遡ることにする。沢の左側(右岸)沿いの踏み跡をたどるとすぐ右に炭焼窯跡を見る。
P1130269右斜面の炭焼窯跡.JPG右斜面の炭焼窯跡
P1130270支谷沿いの踏み跡.JPG沢沿いの踏み跡

右に植林斜面が現われ沢と合わさる。
P1130274右斜面の植林帯.JPG右斜面の植林帯
P1130275沢と合わさる.JPG沢と合わさる

さらに遡ると幹に赤ペンキの印があり、根元に林業公社のプラスチック杭がある所に出る。
P1130277木のペンキ・林業公社プラ杭.JPG赤ペンキの印・公社プラ杭

この先沢の勾配がきつそうなので、ガレた右斜面を高巻き風に迂回して登っていくと上方の植林帯で勾配が緩みホッとする。
P1130278急勾配の支谷.JPG急勾配の支谷
P1130279ガレ場の斜面を右に高巻く.JPGガレ場の斜面を高巻く
P1130282植林谷となり勾配がやや緩む.JPG勾配がやや緩む

ヤブ気味の植林谷を登っていくと直径3mほどの石垣で囲まれた穴に突然出会う。炭焼窯跡か?
P1130285植林谷.JPG植林谷
P1130287円形の穴(炭焼窯跡?).JPG炭焼窯跡?

さらに谷を詰め稜線が近くなったところで平坦地へ出る。
P1130289植林斜面の平坦地.JPG植林斜面の平坦地

少し斜面を登ると主尾根鞍部へ出る。前回電柱の管理道があやしくなったあたりだ。
鞍部にも掘削されたような平坦地がある。
P1130290鞍部が近くなる.JPG鞍部が近くなる
P1130292鞍部・掘削平坦地.JPG鞍部の掘削平坦地

左折し前回の山行と逆方向へ進む。電柱「ヒムロ27」、「28」、「29」を確認しながら登ると、左に巻き道が分かれるところで右斜面に石垣が見え、今回地元の方から教えていただいた「弥山さま」がある。
P1130293植林境尾根.JPG植林境尾根
P1130295電柱「ヒムロ27」.JPG電柱「ヒムロ27」
P1130296電柱「ヒムロ29」.JPG電柱「ヒムロ29」
P1130299左巻き道・石垣.JPG巻き道・石垣
P1130301祠(弥山社)・石積み.JPG祠(弥山社)

左の巻き道と合わさり、左側ヒノキ林の尾根道を進む。電柱「30」を左に過ごし右下からの巻き道と合わせて平坦尾根を進むと、山頂手前で左に巻き道が分岐する。今回は巻き道を進んでみる。
P1130305潅木ヤブが刈られた平坦尾根.JPG潅木ヤブが刈られた平坦尾根
P1130306巻き道が左に分かれる.JPG巻き道が左に分かれる

ややシダが被るが植林帯沿いに進むと、前方が開け、パラグライダー用ランチャー台の広場へ出る。ここにも吹流しがあり、北東尾根上にある吹流しはパラグライダー用の目印と思われる。
P1130307左の巻き道・シダがやや被る.JPGP1130308ランチャー場.JPGランチャー台の広場
P1130309ランチャー場から頂上のテレビ塔を望む.JPG山頂方向
P1130310ランチャー場から望む高照寺山.JPG高照寺山

広場のすぐ上が氷室林道の終点となっており、コンクリートの階段を上がっていくと山頂部の展望小広場へ出る。
P1130312氷室林道終点.JPG林道終点
P1130313コンクリート階段・公社造林看板.JPGコンクリート階段
P1130314展望小広場.JPG展望小広場

展望を楽しんだあと三等三角点を確認し、ランチャー台の広場へ戻る。
P1130317三等三角点・陶器製の祠.JPG三等三角点
P1130318ランチャー場・500m峰.JPGランチャー場・500m峰

帰路はここから市境尾根をたどって473mピークの南東側にある鞍部をめざして下る。
ヤブを分けて進むとヒノキ林尾根となり、平坦ピークで「宮」と刻まれたコンクリート柱を見る。このあたりが鐘撞堂跡と思われる。
P1130319ヤブ゙の市境界尾根.JPGヤブ゙の市境界尾根
P1130320低木ヤブの尾根道.JPG灌木ヤブの尾根道
P1130321植林尾根.JPG植林尾根
P1130322コンクリート柱「宮」.JPGコンクリート柱「宮」
P1130323鐘撞堂跡?.JPG鐘撞堂跡?

少し下ったところで展望が少し開け、前方に473mピークが見える。
P1130324展望地から473m峰.JPG展望地から473m峰

このあたりから尾根が分岐するので市境方向に下るが、勾配がきつく尾根方向が確認がしづらい。すぐに密生したササヤブ帯となり手こずる。足元に踏み跡がわずかに残るのを頼りに方向を定めて下っていくと、植林帯となり勾配が緩むあたりでササが終わり何とか息をつく。
P1130325ヤブの踏み跡.JPGヤブの踏み跡
P1130326ササヤブ.JPGササヤブ
P1130328ヤブを抜ける.JPGササヤブを抜ける

やがて倒木が多くなり、尾根の左側に逃げ込みながら進むと鞍部に出る。右に林道が平行に走っており、作業道が鞍部まであがっている。左には巻き道が下っている。
P1130329スギ植林尾根.JPGスギ植林尾根
P1130330尾根上の倒木等ヤブ.JPG尾根上の倒木等
P1130331植林鞍部.JPG鞍部
P1130332右下に林道.JPG右下に林道
P1130334左の巻き道.JPG左の巻き道

右側ヒノキ林境を登り返し、雑木尾根を巻いて切り開きの平坦尾根を進む。
P1130336ヒノキ植林境を登り返す.JPG植林境を登り返す
P1130338右に巻く.JPG右に巻く
P1130340切り開き.JPG切り開き

さらに登ると右から支尾根が合流し473mピークに着く。雑木に囲まれ展望は得られない。そばの木に「つづら谷ノ頭(仮名)」と書かれた札が付けてあり、平成22年の日付が書かれている。
P1130341山頂部平坦尾根に出る.JPG右からの支尾根合流部
P1130342473m山頂部.JPG473m山頂部
P1130343山名標識.JPG山名標識

標高点ピークから少し進んだところで、ヤブの中に地籍図根三角点の標識がある。
P1130344少し先のヤブピーク.JPG図根三角点ピーク
P1130345地籍図根三角点.JPG地籍図根三角点

左側にヒノキ幼樹林境沿いを少し進むと勾配のある斜面を下る。市境が尾根をやや外れているため境が分かりづらく、ガレ場の斜面を降りていくと、倒竹帯となる。
P1130346少し下ったヒノキ植林境から500m峰を望む.JPG幼樹帯から500m峰を望む
P1130347ヒノキ幼樹林境.JPGヒノキ幼樹林境
P1130348雑木切り開き.JPG雑木切り開き
P1130349雑木斜面(逆方向).JPG雑木斜面(逆方向)
P1130350スギ植林斜面.JPGスギ植林斜面
P1130352倒竹帯.JPG倒竹帯

歩きやすいところを縫いながら降りると峠付近へ降り立つ。
右に伊陸側からの林道が合わさり、市境をさらに東方向へ続いている。
P1130353鞍部で林道と出会う.JPG峠で林道と出会う(逆方向)
P1130354市境尾根方向へ作業道が延びる.JPG東方向へ道が延びる

幅広の山道が左の祖生側へ下っているので、これに入る。
P1130355竹林の幅広山道.JPG幅広山道

右に植林谷を見ながらどんどん下っていくと、左に炭焼窯跡を見る。
P1130356スギ植林沿いの山道.JPGスギ植林沿いの山道
P1130357.JPG山道
P1130359炭焼窯跡.JPG炭焼窯跡

さらに少し下ると沢と合流する手前で道が突然消失する。崩壊したのか?
P1130360道が消失(逆方向).JPG道が消失(逆方向)

沢へ降り立ち対岸へ渡る。踏み跡程度の道を沢沿いにしばらく下っていくと、ふたたび道が現われ左に炭焼窯跡を見る。
P1130361沢沿いのそま道を下る.JPG沢沿いのそま道を下る
P1130363炭焼窯跡.JPG炭焼窯跡
P1130364植林帯の山道.JPG植林帯の山道

沢を二つ渡って植林谷を下っていくと、道が終わり、苔蒸した丸木が数本渡された沢と出会う。
P1130365沢を渡る.JPG沢を渡る
P1130366小ナメ滝.JPG左支谷の小ナメ滝
P1130367沢を渡る.JPG沢を渡る
P1130369丸木橋の名残り・沢渡り.JPG丸木橋の名残り

沢を渡り対岸をよじ登ると林道終点へ出る。
P1130370林道終点へ出る.JPG林道終点へ出る

◆氷室のことなど
氷室岳の氷室については、『玖珂郡志』の祖生村の項に「末元ノツヾラ谷ノ内、ムクロジ谷ノ頭ニ小池アリ。嶽九分程也。当所ノ里人ハ氷室也ト云。伊陸人ハ権現ノ手水川也ト云フ。…」とあるが、該当箇所が急峻な地形であることから手水川説は否定している。
同様の内容が伊陸郷の項にもあり、「氷室社之縁起」として『磐国径録』からの引用を載せている。また、氷室岳に散在する古跡として、神社跡・鐘撞所跡・雪隠屋跡の位置のほか、「従(より)頂寅ノ方ヘ六十ニ間下り手繰井アリ。水面三尺五寸四方。深八寸」と記しており、この手繰井が氷室ではないかと推測する。
これから判断すると氷室の位置は、山頂から寅(東北東)へ約110mほどのところ、今で言うと山頂東側で巻き道が分岐するところの下あたりになると思われる。
ただ上記の記述からすると、手繰井の大きさは幅1m四方、深さ25cm程度であることから、その痕跡を探すのは困難であろう。
また同記述によると、山頂から北東へ下った平坦尾根あたりに祠を祀った神社があったと思われる。

◆余談
山へ向かって林道を歩いていると、犬を連れて散歩している初老の方に出会った。
山頂下の祠について尋ねると「弥山さま」だろうとのこと。地元4集落が山中にそれぞれの弥山さまを祀っていたらしい。
そのほか次のような興味深い話を伺った。ただ氷室についてはご存知なかった。
①昔、山中で「弥山壷」という焼き物をつくっていて、運ぶのに重いため、ころがして壊れなかったものを使った。今でも壷を自宅に保存しているとのこと。
②専称寺はもとは山中にあり、山崩れで崩壊したため現在地に移ったという。(このことは「玖珂郡志」にも記載がある)
③昔は伊陸へ抜けるのに、473mピークの東南側(?)にある峠を越えていったようだ。

帰路、誤射防止を兼ねたオレンジの蛍光色のジャンパーを着て里道を戻っていると、今度は子供たちがお父さんと田圃で遊んでいるのに出くわす。
三人の子供のうちひとりがこちらに気が付いて「こんにちは」と声をかけてきた。
気恥ずかしそうに「こんにちは」と答えると、ほかの二人の子も次々とあいさつをしてきた。やれやれと思いながら通り過ぎていると、うしろで「どこから来たんかな」とつぶやく子供の声が聞こえてきた。
もう少し時期が早ければ「サンタの国から来たんだよ」と答えてあげたのに…。
P1130243.JPG麓の耕作地で見かけたクリスマス・年始用イルミネーション