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魔山・物見山狼煙場跡(周防大島町沖家室島) [県東部の山]

佐連山、白木山、伊崎山と続けたので、締めくくりとして沖家室の山を歩いてみた。(2011.02.09)
P1010369魔山.JPG魔山
P1010368本浦・物見山.JPG本浦・物見山
沖家室ルート図.jpeg (クリックで拡大)

沖家室小学校跡(沖家室出張事務所)の駐車場を借りて、まずは三角点のある島の最高峰をめざす。ネットで検索したところ、正式な名前かどうか分からないが、地元では「魔山(マザン)」と呼ばれているようだ。トーマス・マンの小説「魔の山」を連想するが、何とも腰の引ける名前である。

鰐(ふか)地蔵で有名な泊清寺に立ち寄る。
P1010308泊清寺入口.JPG泊清寺入口
P1010311鰐地蔵.JPG鰐地蔵

寺を出て、正面の墓地を左に巻きコンクリートの小道を登っていくと、石仏のある峠に出る。
P1010313山道.JPG山道
P1010314峠の石仏.JPG峠の石仏

峠の左側(東)は開島400年(平成18年)の記念樹が植えられた(ほとんど枯れている)荒れた小広場となっている。
P1010324荒れた広場.JPG荒れた広場

峠から北側の海岸の方へ踏み跡が続いているので、下りてみた。
途中コンクリート施設の廃墟がある(後日、灯台守の宿舎だったことが判明)。
P1010315灯台守官舎跡.JPG灯台守官舎跡
P1010316灯台守官舎跡.JPG灯台守官舎跡

さらに下っていくと、「長瀬の浜」と呼ばれる浜へ出る。左の岩礁が続く先に小さな灯台がある。
P1010318長瀬の浜・灯台.JPG長瀬の浜・灯台
P1010319長瀬の浜(東側).JPG長瀬の浜(西側)

ふたたび峠の広場まで引き返し、山をめざす。広場左手の小尾根に上がると踏み跡がある。(広場をそのまま直進すると竹ヤブに突っ込むことになるので注意)
ササ道を進むと、みかん畑跡の段状となった石垣に出会い、石垣の突端部に残る踏み跡をたどる。
P1010325ササ道.JPGササ道
P1010326石垣突端部を進む.JPG石垣の突端部を進む

右からの支尾根が合わさるあたりから道は不明瞭となる。ヤブ加減の緩い斜面を登り、ヤブツバキの中を進むと間もなく四等三角点(基準点名「沖家室島」)に出会う。
P1010327雑木ヤブ尾根.JPG雑木ヤブ尾根
P1010329雑木疎林.JPGヤブツバキ
P1010331三角点.JPG三角点

展望もないので、そのまま杉と雑木混交のだだっ広い尾根を最高部山頂めざして進む。山頂付近には、小さな測量杭のほかこれといった特徴的なものは見あたらない。
P1010334山頂最高部.JPG山頂最高部

そのまま北東に延びる尾根を下ってみた。段状の雑木尾根を下り、標高80m付近でイバラヤブに出会うので、右に回り込むと竹林帯のヤブとなる。
P1010335雑木疎林尾根.JPG雑木疎林尾根
P1010337竹ヤブ.JPG竹ヤブ

倒竹をよけ、段が低くなった所を探しながら慎重に下っていくと、作業小屋のある畑に出る。
P1010338段状の石垣.JPG段状の石垣

柵があり立入禁止と思われるので、右によけると小突堤近くの浜に抜け出る。
P1010339浜から佐連山.JPG浜から佐連山
P1010342伊崎山.JPG伊崎山
P1010344突堤.JPG小突堤

ネット情報によると、最近、泊清寺の裏山を草刈りして参拝路を整備されているようなので、寺まで引き返し、登ってみることにした。
墓地の階段を登り切ると、「八十八体順拝 史跡物見山登口」の道標が置かれた展望地に出る。
P1010348物見山登口道標.JPG物見山登口道標
P1010349展望地から本浦.JPG展望地から本浦

石仏の並ぶ整備された参道をジグザグに登り切ると、石仏に囲まれた明るい小広場に出る。
P1010350巡拝路.JPG巡拝路
P1010351巡拝路.JPG巡拝路
P1010352山頂広場.JPG山頂広場
P1010354山頂広場の石仏.JPG広場の石仏

樹間からは、狼煙場があったという笹島が牛ヶ首の上に重なるように見通せる。
P1010357最高部付近から牛ヶ首、笹島.JPG牛ヶ首、笹島

最高部は先のようなので、わずかな踏み跡をたどって尾根を南に進んでみた。途中の高所では、樹木の間に笹島、その先では伊崎山方面が見渡せる。
P1010358伊崎山南端部.JPG伊崎山南端部

少し下って鞍部を進むと突然、「史跡物見山登口」の道標に出会う。
P1010359道標.JPG道標


法面が掘削された正面の小ピークに踏み跡があったので、ヤブを分けながら登ってみると、荒れた小平坦地に出て、「史跡物見山 旧御立山狼烟跡」と書かれた看板が端っこに倒れていた。
P1010364掘削法面.JPG掘削法面
P1010361看板.JPG看板
P1010362狼煙場跡小ピーク.JPG狼煙場跡小ピーク

先ほど登った魔山が眼前に迫るが、残念ながら笹島は松などの樹木に阻まれ、樹間越しに辛うじて見える程度だ。
P1010360狼煙場跡から魔山.JPG魔山

一旦鞍部までもどり、右に方向を定めて、石仏のある峠に再び出た。

帰路、駐車地の裏山、城ヶ崎にある蛭子神社に立ち寄った。
P1010366蛭子神社.JPG蛭子神社

本殿の先まで行くと、今日歩いた山々を見渡すことができる。最頂部に上がると、北側の佐連山や沖家室大橋などが大きく開け、なかなかの展望だ。
P1010371沖家室大橋.JPG佐連山・沖家室大橋

■山名考
◆魔山
「風土注進案」の沖家室の項には、山之事として、「本山 高サ直立凡貮町 村より卯辰ニ有之」と記されており、往時は「本山」と呼ばれていたようだ。だだっ広い尾根で踏み跡やテープ類もほとんどないため、安易には入り込めない山であり、これが魔山と呼ばれる所以だろうか。
「魔山」の名の由来を、自分なりに次のように推理してみた。

「本浦」(ほんうら)や「本家室」(ほんかむろ、風土注進案)から類推するに、「本山」は当時「ほんざん」と呼ばれていたのではないか。「ほんざん」と書かれていたものが、いつしか「ん」が抜けて、「ほざん」となり、さらに「まざん」と書き誤るようになって、これが「魔山」に変わった。少し強引だろうか。

◆ 物見山狼煙場
「地下上申」の沖家室明細絵図添書には、狼煙場として、「物見山頭ニ有之 但御下向之時分は小泊り笹島より請申候事 上より三番之分、四番ハ外入村伊崎山え渡ス」とあり、「地下上申絵図」から判断すると、「史跡物見山 旧御立山狼烟跡」の看板のある小ピークより少し北方向、標高100mの小ピーク付近と思われる。
しかしながら、「風土注進案」沖家室の項として、山川形勢之事の中で「物見山御立山之内狼煙場有之、麓より道法貮町半位、本山より西ノ方ニ相當り嶋の中央ニ御座候」とあり、また、狼煙場として、「物見山御立山之内ニ有之、北請継場小泊之内笹嶋江貮里 西請継場外入之内伊崎江貮拾六町御座候事」とあり、看板のある小ピークがその位置としておかしくない。
なお、途中で、狼煙場の位置が変わったという説もある。