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釿磨山(防府市切畑) [県央部の山]

釿磨山(ちょうのとぎやま)はこれまで2度ほど(平成12年と14年)、4ルートを歩いている。先日、桃ヶ浴山・佐波山を縦走した際、楞厳寺山の手前に見えたので、この機会に歩くことにした。
今回は釿磨池の先に延びる林道から谷を詰め、切畑と大崎の大字境の尾根から取り付くつもりで進んだところ、堰堤工事のため関係者以外立入禁止となっていたため、やむなく、途中の北西尾根から取り付いた。
P1040164上ノ庄集落から釿磨山.JPG上ノ庄集落から釿磨山
釿磨山.jpg (クリックで拡大)

玉祖神社石鳥居前の石仏が立つ路肩スペースに駐車。この神社については、「防長地下上申」に「玉祖若宮大明神 上ノ庄東山ニあり」と記されている。
P1040104玉祖神社.JPG玉祖神社
P1040162石仏・大師堂・楞厳寺山.JPG石仏・大師堂

神社横から延びる林道に入る。新幹線のガードをくぐって進むと、左に「斧磨池」がある。「地下上申」にも「斧磨ノ堤」の名が見える。堰堤上からは花ヶ岳が遠望できる。池の水は冬場のせいか枯れている。
P1040108釿磨池.JPG釿磨池
P1040106花ヶ岳.JPG堰堤から花ヶ岳
P1040110林道分岐.JPG林道分岐

左に二つ堰堤を過ごし、三つ目の堰堤のところで工事のため立入禁止となっているので、少し戻り、100mほど手前の支尾根に取り付く。
P1040118取り付き.JPG支尾根取り付き

踏み跡のない雑木ヤブ尾根を登る。シダが深いところは迂回しながら進むと標高150mあたりから踏み跡も現れ、少し歩きやすくなる。
P1040119ヤブ尾根.JPGヤブ尾根
P1040120雑木疎林尾根.JPG雑木疎林
P1040121シダヤブ.JPGシダヤブ

小岩の小ピークを過ぎると、両側に崩壊谷が樹間に見え、雑木のやせ尾根が続く。雰囲気はよいが、真砂土のため滑りやすい。
P1040123小岩ピーク.JPG小岩ピーク
P1040128崩壊谷.JPG崩壊谷
P1040127やせ尾根.JPGやせ尾根

途中いくつかの小ピークで、猿ヶ岳、採石場、桃ヶ浴山・岳山などが、それぞれ違う方向に展望できる。
P1040129樹間に猿ヶ岳.JPG樹間に猿ヶ岳
P1040130採石場.JPG採石場
P1040132やせ尾根.JPGやせ尾根
P1040133桃ヶ浴山・佐波山.JPG桃ヶ浴山・佐波山

大内畑山を樹間に遠望すると、まもなく釿磨山山頂に着く。
山頂は四等三角点(基準点名「切畑」)があるのみで、展望は得られない。
P1040134大内畑山.JPG大内畑山
P1040135山頂.JPG山頂

帰路は押地峠をめざすことにする。こちら側はほとんど人が入らないようで、雑木ヤブ尾根となっている。小ピークで右に花ヶ岳を遠望すると、すぐに左側ヒノキ林境の平坦尾根に変わるが、枝落としがされておらず、邪魔で歩きづらい。
P1040137花ヶ岳.JPG花ヶ岳
P1040138ヒノキ林境尾根.JPGヒノキ林境尾根

平坦尾根から南方向に尾根を外さないように下る。標高250mの平坦ピークを下るあたりから、ヒノキ林境のヤブがさらにひどくなる。大岩を右に巻くと、小岩上で、前方に楞厳寺山が大きく開ける。
P1040140展望岩から楞厳寺山.JPG展望岩から楞厳寺山
P1040144ヒノキ林境ヤブ.JPGヒノキ林境ヤブ

わずかな踏み跡をたどり、深いシダを分けながら下るが、不明瞭でわかりづらい。踏み跡を外れるとシダヤブに突っ込み、途端に歩きづらくなる。こだわりがなければ、平坦尾根からは左の谷に下った方が楽と思われる。
P1040145ヒノキ林境.JPGシダヤブのヒノキ林境

尾根を外さないよう下っていくと、突然樹間越しに土色の壁が見え、押地峠の林道法面の上に出る。右のヤブに逃げ込み、抜けると、やっとのことで林道へ降り立つ。
P1040156押地峠.JPG押地峠

峠から東の佐野側に下ってみた。工事車両が入っているためか、林道は未舗装ながら整備されている。二つ目の水が枯れた溜池まで下り、峠へ引き返した。
P1040150下部溜池から楞厳寺山.JPG下部溜池から楞厳寺山
P1040154上部溜池から釿磨山.JPG上部溜池から釿磨山
P1040155林道.JPG林道


峠から林道を西へ下り、左に堰堤を過ごすと、突然建設中の堰堤が現れる。工事で林道が寸断されており、やむなく工事現場を通らせてもらった。
立入禁止等の看板は見当たらなかったので、佐野側の麓にあるのかもしれない。いずれにしても休日でたまたま工事がなく通過できたが、工事期間中は通過するのが難しいと思われる。
P1040157工事中の堰堤.JPG工事中の堰堤

荒れ林道に出て、そのまま林道切畑押地線を下った。
P1040158荒れ林道(上部).JPG荒れ林道
P1040159林道切畑押地線.JPG林道切畑押地線

■山名考
釿磨山の名は「防長風土注進案」の切畑村荒図に見える。また、同書切畑村の項では、「斧磨」と「釿磨」の両方の名が使われ、「防長地下上申」では「斧磨山」の名を見ることができる。(「地下上申」の大崎村隣村境目書や「風土注進案」の大崎村荒図によれば、「狼岩」にあたる思われる。)
このため、山名はどのように呼ぶのか以前から疑問に思っていた。「斧」と「釿」から、「おの」あるいは「ちょうの」と呼ぶのか、また、「磨」は「みがき」あるいは「とぎ」と呼ぶのか。組み合わせれば、4通りの呼び名が考えられる。
このたび、「角川日本地名大辞典 山口県」(昭和63年発行)の切畑の項を調べてみたところ、「斧磨」は「チヨウノトギ」とルビが振られていて、疑問が払拭された。また、大崎の項には「手斧研」が見られるが、こちらはルビがない。
また、「地下上申」の大崎村の項には、「斧トキ堤 斧トき山に有り」といった記述も見られる。
さらに、地域は違うものの、「陶村史」(昭和49年刊)では、小字の記述に「手斧磨」があり、同じく「ちようのとぎ」とルビが振られ、語源の説明として「昔樵夫(きこり)が斧を磨いたことから」と記されている。昔は広く使われた言葉なのかもしれない。
修験道の祖として知られる役小角が、斧研ぎの老人と出会い、感銘を受けて石鎚山を開山したという逸話が知られているが、修験道とも何か関係があるのだろうか。
なお、釿磨山三角点の北北西にある標高194.0mの三等三角点の基準点名は「斧磨」であり、点の記では「ちょうなとぎ」とルビがある。